今回はIT業界の企業比較として、新卒就活・転職市場で非常に人気な「NTTデータ」と「日立製作所」の比較を行っていきます!
本記事のデータは主に各企業のIR情報や業績発表会の資料を元にしており、2021年時点である程度信頼を置いて頂ける情報だと思います。しかし、特に年齢別年収等はあくまで推測値ですので、参考程度に考えて頂けると幸いです。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

【必見】業界研究に必須!おすすめ業界地図2選!【書籍】
本題の前に、本記事の他にも業界研究に必須の書籍を2冊ご紹介します!
会社四季報 業界地図 2022年版
1つ目は、東洋経済新聞社が発行している「会社四季報 業界地図 2022年版」です!
こちらは全174業界、4080社の情報が載っており、11年連続売上ナンバーワンを誇ります!まさに業界研究に必須の一冊で、就活や転職を考えている方はもちろん、ビジネスに関わる方全てに見て頂きたい書籍です!
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日経業界地図 2022年版
2つ目は、日本経済新聞社が発行している「日経業界地図 2022年版」です!
こちらは全181業界、4300社の情報の情報が載っており、会社四季報に負けず劣らず充実した内容となっております!特徴としては会社四季報よりも一社ごとの説明は少ないものの、紹介されている会社数が多い分、業界内での関係性を広く知ることができることが挙げられます!
こちらも以下にリンクを用意しましたので、ぜひご確認ください!
以上、ぜひ本サイトとあわせてご活用ください!
業績(時価総額・売上高・営業利益・営業利益率)
まずは基本的な情報として、NTTデータと日立製作所の近年の時価総額・売上高・営業利益・営業利益率について比較していきます。
各項目の説明
まずは比較に用いる「時価総額・売上高・営業利益・営業利益率」の説明です。
時価総額とは?
時価総額とは、企業価値を評価する際の指標の一つであり、以下の式で計算できます。
時価総額が大きいということは、業績が好調なだけではなく将来期待される成長も大きいということを意味しています。
しかし、株価は市場の状況によって過小評価/過大評価されることもあるため、絶対的な指標ということではありません。
つまり、時価総額が大きい会社ほど投資家から期待されている、ということになります!
売上高とは?
売上高とは、企業がサービスや商品を売買することで得た売上金額の総額を表します。
例えば、トヨタであれば車の全販売金額やサービスの売上高の総額となります。
単価100万円の車が100台売れた場合、売上高は1億円です。
営業利益とは?
営業利益とは、企業が稼いだ利益を表します。
営業利益は、「売上高」から「原価」を引いた「売上総利益」から、さらに「販売費および販管費」を差し引くことで計算されます。
営業利益率とは?
営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。
営業利益を売上高で割った値をパーセント表示することで計算されます。
NTTデータと日立製作所の業績比較
それでは、NTTデータと日立製作所の業績を比較してみましょう!
NTTデータ | 日立製作所 | |
---|---|---|
時価総額(2021/6/6) | 2兆4179億円 | 5兆8682億円 |
売上高(2020年度) | 2兆3187億円 | 8兆7291億円 |
営業利益(2020年度) | 1392億円 | 4951億円 |
営業利益率(2020年度) | 6.0% | 5.7% |
従業員数 | 11,515人 | 31,442人 |
表内の数値は、NTTデータのIR資料 と 日立製作所のIR資料 から得られたデータになります。
また、日立製作所は営業利益ではなく調整後営業利益、営業利益率ではなく調整後営業利益率という独自の指標を使用していますが、大きく意味は変わりません。
平均年収
どの企業も業務内容が似ているIT業界において、年収は非常に重要な評価項目です。
今回は、有価証券報告書に記載されている平均年収とOpenwork(旧Vorkers)の平均年収を調査し、それらから推測される年齢別平均年収を予想しました!
各企業の平均年収
まずは有価証券報告書やOpenworkに記載されている年収を見ていきましょう。
有価証券報告書については以下のWikipediaの説明が参考になります。
金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料である。略して有報(ゆうほう)と呼ばれることもある。
第一部【企業情報】→ 第1 【企業の概況】→ 5 【従業員の状況】
に記載されています。
NTTデータの有価証券報告書と日立製作所の有価証券報告書、さらに両者のOpenworkの平均年収をまとめたものが以下の表です。
NTTデータ | 日立製作所 | |
---|---|---|
平均年齢 | 38.9歳 | 42.3歳 |
平均年収(有報) | 833.8万円 | 902.6万円 |
平均年収(Openwork) | 753万円 | 707万円 |
なんと有価証券報告書とOpenworkで年収の高低が逆転していますね…
Openworkは年齢が若い人が回答する傾向があるため、平均年収も低く出る傾向があります。
日立製作所の方がNTTデータよりも平均年齢が高い分、有価証券報告書の年収も高く出るのでしょう。
年齢別 予想平均年収
次に、年齢ごとの平均年収を見ていきましょう!
これは有価証券報告書とOpenworkの平均年収から推測した数値であるため、あくまで参考値であることをご了承ください。
年齢 | NTTデータ | 日立製作所 |
---|---|---|
入社時 | 400万 | 400万 |
25歳 | 520万 | 500万 |
30歳 | 670万 | 690万 |
35歳 | 800万 | 800万 |
40歳 | 920万 | 890万 |
45歳 | 950万 | 950万 |
50歳 | 980万 | 1000万 |
55歳 | 1000万 | 1100万 |
60歳 | 1000万 | 1000万 |
将来性
次に、各社の将来性を調査したいと思います!
今後、日本市場は少子高齢化により年々縮小していきます。
今回は両社の将来性を評価するために、各社の経営戦略と海外売上比率を調査しました。
経営戦略
まずは各社の経営戦略を見ていきたいと思います。
NTTデータの経営戦略
NTTデータの経営戦略の一部を以下に記載します。
- 国内市場では公共に非常に強みを持っている。
- 現在は海外展開に力を入れている。
- 2021年までに、連結売上高2.5兆円を目標にしている。
この他の経営戦略についてはNTTデータのこちらのページからご確認ください!
日立製作所の経営戦略
日立製作所の経営戦略の一部を以下に記載します。
- ITを中心に投資を増やしている。最近では米グローバルロジック社を買収した。
- LumadaというIoTプラットフォームを軸に、先端技術事業を推進している。
- 積極的な海外展開を行っており、2021年度の海外売上比率を57%にすることを目標に掲げている。
この他の経営戦略については日立製作所のこちらのページからご確認ください!
海外展開
次に各社の海外売上高と海外売上比率を見ていきます。
IR資料から得られたデータをまとめたものが以下の表の通りです。
NTTデータ | 日立製作所 | |
---|---|---|
総売上高 | 2兆3187億円 | 8兆7291億円 |
国内売上高 | 1兆4120億円 | 4兆1648億円 |
海外売上高 | 9067億円 | 4兆5743億円 |
海外売上比率 | 39.1% | 52.4% |
どちらも国内市場に頼っておらず、高い海外売上比率を持っている事が分かります。
社風
次に、各社の社風を調査したいと思います!
口コミサイトなどの意見から、両社の社風として以下のような傾向があると分かりました。
NTTデータの社風
- 文理問わず積極的に採用をしている。
- 社員同士の仲が良い。
- フラットに助け合う文化が強い。
- 子会社と協力してプロジェクトを進める場合がほとんどであり、プロジェクトマネジメント力を身につけることができる。
日立製作所の社風
- 理系の院卒が多く、技術を重視している傾向がある。
- 穏やかで落ち着いた人が多い。
- ITセクションは国内志向が未だ強い。
- 社会を支える、貢献性が高いプロジェクトが多い。
- 独自の社内文化が一部存在している。
ホワイト度
最後に「ホワイト企業であるか」を調査します!
今回はホワイト度を評価するために「有給消化率・平均残業時間・平均勤続年数」を比較しました。
さらに、先程調査した「平均年齢」も合わせて表記しています。
有給消化率と平均残業時間はOpenwork(旧Vorkers)から得られたデータを、平均勤続年数と平均年齢は各社の有価証券報告書から得られたデータを用いています。
以下が比較結果です!
NTTデータ | 日立製作所 | |
---|---|---|
有給消化率 | 84.9% | 57.2% |
平均残業時間 | 30.6時間 | 34.7時間 |
平均勤続年数 | 15.0年 | 19.1年 |
平均年齢 | 38.7歳 | 42.3歳 |
NTT系列であるNTTデータは政府の意向を受けやすいためか、有給消化率が非常に高いことが分かります。
さらに、日立製作所は有給消化率も平均残業時間もNTTデータに負けており、平均したホワイト度合いではNTTデータに軍配が上がる結果となりそうです。
また、IT業界はどの企業でも時期やプロジェクトによって忙しさが全く違う業界なので、どうすればより良いプロジェクトに配属されるかを検討することも重要だと考えられます。
NTTデータ vs 日立製作所 まとめ
以上、NTTデータと日立製作所を5つの観点から比較しました。
NTTデータ | 日立製作所 | |
---|---|---|
業績 | 盤石。売上高は年々増加中。 | 盤石。時価総額上昇中。 |
年収 | 年功序列。連続的に上がってく。 | 年功序列。平均年収は高い。職位が上がると急激に上がる。 |
将来性 | 官公庁系のシステムが安定。 買収以上の海外展開ができるか。 | ITセクションの海外展開が課題。 グローバルロジックとの相乗効果に期待。 子会社出向→会社ごと売られることが怖い。 |
社風 | ワイワイ系。チームワーク重視。 | 大人しめ。理系院生が多い。 |
ホワイト度 | プロジェクトによる。 | NTTデータよりも平均して少し残業時間多め。 |
最後に、作成した表をまとめます。
NTTデータ | 日立製作所 | |
---|---|---|
時価総額 | 2兆4179億円 | 5兆8682億円 |
売上高 | 2兆3187億円 | 8兆7291億円 |
国内売上高 | 1兆4120億円 | 4兆1648億円 |
海外売上高 | 9067億円 | 4兆5743億円 |
海外売上比率 | 39.1% | 52.4% |
営業利益 | 1392億円 | 4951億円 |
営業利益率 | 6.0% | 5.7% |
従業員数 | 11,515人 | 31,442人 |
平均年齢 | 38.7歳 | 42.3歳 |
平均勤続年数 | 15.0年 | 19.1年 |
平均年収(有価証券) | 833.8万円 | 902.6万円 |
平均年収(Openwork) | 753万円 | 707万円 |
有給消化率 | 84.9% | 57.2% |
平均残業時間 | 30.6時間 | 34.7時間 |
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